増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—心エコー法
心エコー検査の進めかた
羽田 勝征
1
1JR東京総合病院
pp.94-99
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907704
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心エコー検査は特異性の高い検査で,心臓,大血管の形態と動態,および異常構造物(腫瘍,血栓,心膜液貯留など)の観察により,心疾患の診断と機能評価のために行うものである.しかし,症状がなく,理学所見が正常で胸部X線写真と心電図に異常がなければ発見される病気は皆無に近く,心エコー検査は効率の悪い検査となる.心臓悪性腫瘍の検索には心エコー検査は不可欠であるが,本疾患はきわめて稀である.したがって,本法はドックや検診でのルチン検査では行われず,通常は以下の所見か症状を認めたときに適応となるのみである.しかし,正常であることを確認しておくことは,その後の診療においてきわめて大切な場合がある.
最近はコンピュータ端末から心エコー検査が依頼されることが多くなった.この場合,依頼医の目的が検査者に伝わりにくいという欠点がある.依頼医の目的が何か,何を否定したいのかがわかるほうが,能率的・効率的検査となり,得られる情報も多く,心エコー所見の読みも深まるものである.何の疾患がどのくらいの可能性があるかを考えつつ依頼することは心エコー検査上達のためのコツである.
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