増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 3 血球形態検査
1.末梢血検査
4)血球の見かた
丹羽 欣正
1
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部
pp.747-750
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905442
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はじめに
血球を見るということは,血液形態学的に血球を観察することである.末梢血液で血球観察の対象となるものは白血球,赤血球,血小板であり,当然のことながら血液そのままでは目的を達成することはできない.これら血球をいかに自然に近い状態に保ち,かつその特徴を的確に把握可能とすることができるかが重要なポイントであり,血球を観察するうえでの前提条件となる.
前提条件が完全に整った状態での標本観察法について記載しなければならないのであるが,前提条件,血球観察方法のいずれにも画一的なものがなく,残念ながら絶対的といえる作業手順の紹介はできない.近年,国内外における血液形態検査の標準化への取り組みが多数見られるようになったが,すべてにおいて絶対的な状態の推奨法提唱には至っていない.前述の理由から,ここでは米国臨床検査標準協議会(NCCLS:National Committee for Clinical Laboratory Standards)におけるDocument H20-Aおよび日本臨床衛生検査技師会(以下日臨技)における血液形態検査に関する勧告法を主体にして,現時点において最も一般的といえる血球観察法について述べてみたい.
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