技術講座 一般
尿沈渣の見かた3—血球成分
杉原 千鶴子
1
1京都第一赤十字病院検査三課
pp.522-527
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205801
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サマリー
尿中に排泄された赤血球,白血球はpH,比重,浸透圧など尿中の環境によって種々に形態が変化する.また赤血球は薬剤によっても,化合物と血球のもつ電荷に関係してechinocyte(うに状赤血球)になる場合,反対にstomatocyte(口状赤血球)になる場合がある.近年,特に注目されてきている糸球体出血を示唆する赤血球の形態は,コブ状の突出やねじれ形など多彩な形態を示す.一方,白血球は尿路感染症時の指標として重要であり,貧食,走化性を有するため花弁状や,時にはダイナミックに伸展した形を見ることがある.これらと尿中に混在して類似形態を示す他の成分との鑑別について述べ,最後に尿沈渣の保存について筆者の経験を付記する.
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