検査の作業手順を確立しよう ホルモン検査・2
non-RIAによる検査
青野 悠久子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1023-1028
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903936
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はじめに
ホルモンは生体のホメオスターシスの維持に必要な種々の微量活性物質の一部として,極めて重要であり,現在主要なものは日常検査として簡単に測定されている.1959年,BersonとYalow(アメリカ)らによるインスリン測定の発表に始まった放射性免疫測定法(radioimmunoassay;RIA)はその後,ホルモンや微量物質の測定に用いられ,生理学,内分泌学の著しい進歩に貢献してきた.以来,イムノアッセイの課題は高感度化,特異性が高いこと,分析操作の簡便迅速化であり,事実,これらは著しい発展を遂げ,日常検査へ本格的に導入されている.
しかし,RIAは放射性物質の廃棄,検査施設の整備など問題があり,臨床の現場では,非放射性免疫測定法(non-isotopic immunoassay;non-RIA)が望まれ,開発された.わが国では1983年,日常検査としてnon-RIAによるジゴキシンの測定が始まり,1984年には甲状腺関連項目の測定法が出現,1986年には世界で初めてのnon-RIAによる全自動免疫測定分析機ES-600が登場した.以後non-RIAのホルモン測定に関しては自動分析機による測定が一般的となっている.
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