検査データを考える
溶血性貧血と赤血球形態異常
浜田 恭子
1
,
高橋 功
2
1高知県立中央病院中央検査室
2高知県立中央病院内科
pp.1017-1022
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903935
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はじめに
貧血の原因は赤血球の産生低下,破壊亢進,失血に大別される.溶血性貧血とは赤血球の破壊亢進(赤血球寿命の短縮)によって生じる貧血の総称であり,“先天性”と“後天性”とに大別されるが,その成因はさまざまである.
表1に溶血性貧血の成因別分類を示したが,“赤血球自身の異常によるもの”と“赤血球以外の異常によるもの”とに大別され,前者のほとんどは先天性疾患で占められる.ただ,赤血球膜異常である発作性夜間血色素尿症は後天性疾患に分類される.1975年に研究班により溶血性貧血の診断基準が設定された.しかし複雑であることから,1990年に“厚生省特定疾患特発性造血障害調査研究班”から,より簡明な診断基準が提示された(表2).
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