特集 帰してはいけない疾患を除外した後の外来診療
【機能性疾患の積極的診断とフォロー】
non-ulcer dyspepsia
吉田 伸
1
1飯塚病院総合診療科
キーワード:
non-ulcer dyspepsia
,
functional dyspepsia
,
ピロリ除菌
,
PPI(プロトンポンプ阻害薬)
Keyword:
non-ulcer dyspepsia
,
functional dyspepsia
,
ピロリ除菌
,
PPI(プロトンポンプ阻害薬)
pp.918-921
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200015
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Case
PPIが奏効したnon-ulcer dyspepsiaの1例
患者:56歳,男性.
既往歴:糖尿病,高血圧,肥満症.
家族歴:父親が胃癌で65歳時に死亡.
現病歴:上記疾患のため当院通院中の男性.3カ月前から食後の膨満感が出現し,徐々に空腹時の上腹部灼熱痛を伴うようになったため定期受診時に主治医に相談した.痛みは上腹部に限局し,1〜2時間続き,食事で改善する.年齢,家族歴を考慮して上部消化管内視鏡を試行したが,胃癌,胃十二指腸潰瘍,逆流性食道炎の所見はなかった.RomaⅢ基準を満たしており,functional dyspepsiaと診断した.胃粘膜生検の結果H.pyloriが陽性であったため,除菌を行ったが症状は改善しなかった.PPI内服を8週間行ったところ食後の膨満感は改善し,上腹部の灼熱痛も軽減した.
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