増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
non-lifting sign
永田 務
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
線維化
,
深達度診断
,
粘膜下層浸潤
,
大腸癌
Keyword:
線維化
,
深達度診断
,
粘膜下層浸潤
,
大腸癌
pp.632
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200979
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定義
non-lifting signとは,Unoら1)に提唱された用語であり,腫瘍の粘膜下層(submucosa ; SM)に局所注射しても,腫瘍自体が盛り上がらず,SMに線維化を来している状態を示す.原因としては,SM以深への癌(腫瘍)の浸潤(Fig. 1,2)やUl-II以深への潰瘍合併,炎症や機械的刺激に伴う,間質反応や線維化があると考えられ,内視鏡的に判断できる所見である2).
大腸癌研究会より出されたガイドライン3)(2014年)によると,大腸癌の内視鏡治療の原則として,“癌が粘膜にとどまっている場合や,粘膜下層に浸潤していても,浸潤の程度がわずかで,転移の可能性が低いと判断される場合”とされている.
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