増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
5.微生物(感染症)検査
2)免疫学的検査 c)ウイルス感染症 臨床編—[3]サイトメガロウイルス,ロタウイルス
山根 誠久
1
1琉球大学医学部臨床検査医学講座
pp.900-901
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903901
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サイトメガロウイルス
1.検査の意義と目的
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)は極めて多様な感染像を示すヘルペスウイルス科のウイルスで,通常は初感染の後,種々の臓器に潜伏感染し,終生体内に存続するが,臨床的には特に問題とならない.CMVを検査する主な目的は,①未感染の妊婦が初感染して経胎盤的に胎児が感染する場合,②輸血や臓器移植によって後天的に初感染する場合,③移植,AIDS(acquired immune deficiency syndrome,後天性免疫不全症候群),悪性腫瘍,妊娠,免疫抑制剤の使用などで潜伏感染したウイルスが再活性化する場合の3つである.CMVにはガンシクロビル(ganciclovir),ホスカルネット(foscarnet),シドホビル(cidofovir)などの抗ウイルス剤が有効であることから,正確に,迅速にその適応を診断する意義が高い.
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