オピニオン
患者になってみて
林 譲
1
1JR札幌鉄道病院臨床検査室
pp.213
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903730
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1996年の夏に年齢からくる疲労とはちょっと違う易疲労感,動悸,寝汗などの変調に循環器科を受診,早々に心エコー検査を受け,重度僧帽弁閉鎖不全症との診断を受けました.“別に緊急性はないが,現在の医療技術から弁修復術も選択肢に加え,手術をする方向で考えてみてはどうか”と説明がありました.内容はよく理解できましたが,やはり“手術”となると,それにかかる期間,その間の仕事のこと,危険率の問題や家族,そして親のこと,挙げればきりがないほど考えなければならないことが浮かんできて非常に悩みました.しかし,結果としては手術を決断するまでにあまり時間を必要としませんでした.
手術をすると決めてからは,手術目的で紹介された某医科大学附属病院を翌年3月に受診し,胸部外科の先生からも,一刻も早く,余病がなく,心機能も保たれ,体力のある現時点での手術を奨められ,4月の桜の花が咲き誇る時期に検査入院,そして手術と,今まで悩んだことは,あっという間に現実となっていきました.
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