技術講座 微生物
サルモネラの検査法
犬塚 和久
1
1厚生連安城更生病院臨床検査科微生物検査室
pp.143-150
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903715
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新しい知見
サルモネラ属菌はわが国で最も多い食中毒原因菌であるが,肉類摂取の多い欧米ではさらに多く,食中毒の40〜80%を占めている.2,000種を上回るサルモネラ血清のうち,1989年以降,わが国ではS.Enteritidisによるサルモネラ症が急増して問題になっている.WHOがサルモネラ症の分離状況を調査した結果,世界的な流行になっていると警告している.欧米での研究報告を見ると,S.Enteritidisの感染源は鶏卵であり,従来から指摘されていた卵殻表面の汚染よりも,卵殻内(いわゆるin egg)が原因と指摘されている.産卵する鶏の卵巣や卵管に無症候性に本菌が定着することが原因とされている.
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