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耐性サルモネラ
小林 泰一郎
1
,
大西 健児
1
1東京都立墨東病院感染症科
pp.303-305
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102404
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■非チフス・サルモネラ症の臨床像と抗生剤使用指針
サルモネラ属菌は,輸入感染症として問題になる腸チフス・パラチフスを引き起こすSalmonella enterica subspecies enterica serovar Typhi(S. Typhi),S. Paratyphi Aと,感染性腸炎などの非チフス・サルモネラ症を引き起こすS. Enteritidis,S. Typhimurium,S. Infantis,S. Choleraesuisなどの非チフス・サルモネラ属菌に大別される.本稿では後者について述べる.
サルモネラ属菌は,ニワトリなどの鳥類,ウシやブタ,ネズミなどの哺乳類,カメやトカゲなどの爬虫類の腸管に常在菌として存在する.また,感染者の0.2~0.6%が健康保菌者となるため,ヒトの腸管に常在することもある.ヒトでの感染経路は,サルモネラ属菌で汚染されたニワトリの卵の殻のほか,加熱不十分な鶏肉など種々の食物,まな板などの調理器具を介して経口感染するほか,ニワトリの卵細胞に感染したS. Enteritidisを摂取することでも感染する.
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