病気のはなし
心不全
後藤 葉一
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
pp.728-733
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903573
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
最近10年間の心不全に関する新しい知見として,第1に,神経・体液性因子の重要性が認識されたことが挙げられる.すなわち,交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が心不全の病態の進展・増悪に深く関与していることが明らかにされた.第2に,これに関連して,慢性心不全治療において,アンジオテンシン変換酵素阻害薬や交感神経β受容体遮断薬が患者の長期生命予後を改善することが示された.第3に,急性心不全に関しては,急性心筋梗塞に対する再灌流療法,ホスホジエステラーゼ阻害薬などの新しい心不全治療薬,経皮的心肺補助装置や補助人工心臓の開発などにより,治療成績が向上したことが挙げられる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.