病理検査こぼれ話
病理の水
吉田 利通
1
1三重大学医学部第1病理学教室
pp.17
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903444
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大学の病理学教室にいると,免疫染色の相談を頻繁に受ける.学会活動や論文作成が活発になるほど,病理が頼りにされるのはどこでも同じと思う.免疫染色を“ひょいと”染めれば研究らしいから,というところだが,この“ひょいと”が実は難しい.最近はほとんどなくなったが,笑えない昔話のいろいろ.
「今まで染まらなかったのが,抗体の濃度を上げたらうまく染まるようになりました」「ネガコンの正常血清あげるから同じ希釈倍率で染めてごらん」「同じように染まりました」.メーカーの推奨濃度より薄くして試すのは当たり前だが,濃度を上げてうまくいくことはまずない(抗体の無駄遣いなだけ).
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