特集 小児科医が診る泌尿器疾患アップデート――どう診断・治療するか? 予後はどうか?
6.精巣水瘤・精索水瘤
此元 竜雄
1
1地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院泌尿器科
pp.786-791
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003540
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小児の精巣水瘤(陰嚢水腫)・精索水瘤は主に新生児期の非交通性のものを除いて基本的には腹膜鞘状突起が閉鎖せず水がたまった状態(交通性水瘤)で,自然消失が高率に認められるため待機的に対応する.成人に対して行われる穿刺・吸引や硬化剤注入は禁忌であり,治療介入は手術だが,その適応や適切な介入時期などの定まった見解はない.手術は鼠径ヘルニアと同様,鼠径部で腹膜鞘状突起を切断,結紮するのが基本である.腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC)の精巣・精索水瘤への適応拡大が昨今の傾向だが,幼小児期の鼠径ヘルニア手術と閉塞性無精子症の関連は以前より言及されており,術式流用による不妊症への影響などは不明である.

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