技術講座 病理
Helicobacter pyloriの組織診断法
石田 正実
1
,
平林 かおる
1
,
藤盛 孝博
1
1獨協医科大学第2病理
pp.355-360
発行日 1998年4月1日
Published Date 1998/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903383
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新しい知見
McMullenらは,カルボールフクシンとマラカイトグリーンとの重染色を繰り返すことによりHelicobacter pylori(H. pylori)を染色できることを報告した.これらの染色液の濃度を変え,重染色を繰り返すことなしに1回のカルボールフクシンとマラカイトグリーンとの重染で,より感度の高い染色法としてMcMullen変法が考案されている.この方法では,従来のMcMullenらの方法に比べて,H. pyloriは深紅に染色され,組織はライトグリーンに染色されるため,組織のコントラストが高く,少量のH. pyloriの菌体でも認識しやすく,H. pyloriの形態的特徴であるらせん構造も明瞭である.一般的に潰瘍形成部では二次的にH. pylori以外の細菌感染が認められることがあるが,らせん構造と胃粘液の組織所見より鑑別は可能である.
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