今月の主題 Helicobacter pylori
技術解説
Helicobacter pyloriの核酸診断法
明石 裕光
1
,
殿勝 康司
2
Hiromitsu AKASHI
1
,
Yasushi TONOKATSU
2
1兵庫医科大学細菌学
2兵庫医科大学第4内科
キーワード:
Helicobacter pylori
,
PCR
,
PCR-RFLP
Keyword:
Helicobacter pylori
,
PCR
,
PCR-RFLP
pp.167-169
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903239
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Helicobacter pylori感染は胃炎を惹起し,消化性潰瘍の発症や再発と深くかかわっている.さらには胃癌との関連も注目されている.
H. pyloriの存在診断として培養法,血清診断,病理組織学的診断が主に行われている.近年遺伝子工学の発展に伴い,遺伝子レベルでのH. pyloriの診断や解析が成されるようになってきた.
polymerase chain reaction法を用いた遺伝子診断は簡便で感度の高い検査法として注目され,胃生検組織からのみならず,胃液,歯垢,便からの検出を可能にしつつある.
また,PCR法を応用することにより,H. plyoriの有する菌株間の遺伝学的多様性の解析が進められており,将来疾患特異性のあるH. pyloriが発見されるかもしれない.
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