増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血感染症
HCV関連マーカー検出・定量系の意義
佐々木 富美子
1
,
吉澤 浩司
1
1広島大学医学部衛生学教室
pp.285-291
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903162
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はじめに
1960年代半ば,わが国では売血による輸血用血液の供給が行われ,輸血後肝炎は全受血者の50%以上に発生していた1)(図1-a).しかし,献血制度が確立された1968年には16.2%にまで減少し(図1-b),その後,1980年代初めまで17〜18%前後の値を保っていた.
その後,1981年から開始された「ALT高値を示す血液の排除」は輸血後非A非B型肝炎の発生率を15%前後にまで(図1-c),また1986年から開始された「400ml献血・成分献血の推進」は7〜8%にまで減少させる効果をもたらした(図1-d).
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