技術講座 輸血
血液型の検査(ABO,Rh式)
村上 純子
1
1駿河台日本大学病院輸血室
pp.633-638
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906233
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新しい知見
従来,通常の抗D血清では凝集を認めず,間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)で凝集が認められる弱いD抗原をDu(Dが未発達undevelopedを意味する)と分類してきた.しかし,モノクローナル抗D血清が用いられるようになり,Duには,単にD抗原量が少ないweak Dと,一部のD抗原エピトープを欠損しているために,その抗原エピトープを認識する抗D血清で凝集を生じない(あるいは極めて弱い)partial Dとが含まれていることが明らかになった.
今のところ,D抗原エピトープは少なくとも30種類以上あると考えられている.したがって,partlal Dが疑われた際には,ポリクローナル抗D血清や認識するエピトープが異なる複数のモノクローナル抗D血清を用いて検査を行う必要がある.
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