技術講座 生化学
ミオグロビン,心筋ミオシン軽鎖Ⅰ,心筋トロポニンT
石井 潤一
1
,
石川 隆志
2
1藤田保健衛生大学医学部内科学
2藤田保健衛生大学救命検査
pp.315-321
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903022
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新しい知見
急性心筋梗塞の早期診断と再灌流療法の治療効果の判定には細胞質蛋白で,分子量が小さく,しかも迅速測定が可能なミオグロビンが有用である.発症から数日を経過した症例の診断や心筋梗塞量の推定には構造蛋白であるトロポニンTやミオシン軽鎖Ⅰの測定が,微小心筋傷害の診断には心筋特異性の高いトロポニンTの測定が適している.それぞれの生化学的マーカーの特性を理解し,臨床上の目的に応じて使い分けることが重要である.
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