今月の主題 心筋梗塞の生化学的マーカー
心筋細胞質蛋白の臨床検査〔各論〕
ミオグロビン
石井 潤一
1
,
石川 隆志
2
Jun-ichi ISHII
1
,
Takashi ISHIKAWA
2
1藤田保健衛生大学内科
2藤田保健衛生大学救命検査
キーワード:
ミオグロビン
,
心筋梗塞
,
再疎通
Keyword:
ミオグロビン
,
心筋梗塞
,
再疎通
pp.570-574
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902915
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ミオグロビン(Mb)は心筋と骨格筋に存在するヘム蛋白質であり,酸素の貯蔵体である.Mbは筋細胞の細胞質内に豊富に存在する低分子蛋白(分子量:17,200)であるため,壊死心筋から容易に血中に流出し,再疎通による影響を強く受ける.しかも,ラテックス凝集比濁法により簡便・迅速(測定時間:約10分)に測定できるため,心筋特異性が低いという欠点はあるが,現時点では心筋梗塞の早期診断および再疎通の判定におけるもっとも有用な生化学的マーカーであると考えられる.ラテックス凝集比濁法によるMbの血中濃度の測定は緊急検査の項目として急速に普及してきている.〔臨床検査 40:570-574,1996〕
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