増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅶ.抗菌薬の抗菌力試験
3.耐性因子の検出
高橋 綾子
1
1群馬大学医学部附属病院中央検査部
pp.242-244
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902787
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はじめに
化学療法薬に対する薬剤耐性因子はさまざまであるが,なかでもβ-ラクタム剤に対する耐性因子の検出とその評価は重要である.
臨床分離細菌のβ-ラクタム剤の耐性機構は,外膜の変化に伴う透過性の減少,薬剤の標的蛋白質〔ペニシリン結合蛋白(penicillin-binding protein;PBP)〕の変化,β-ラクタム剤加水分解酵素のβ-ラクタマーゼによる薬剤の加水分解などがある1).耐性菌の多くは薬剤の加水分解によると考えられるため,検査室では病原菌のβ-ラクタマーゼ測定が重要になってくる.
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