増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅶ.抗菌薬の抗菌力試験
4.判定基準
山根 誠久
1
1熊本大学医学部臨床検査医学講座
pp.245-248
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902788
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各種の臨床材料から分離された菌株を用いて,特定の抗菌薬を対象にその抗菌活性が測定され,常用量の抗菌薬を患者に投与したときの臨床的効果を予知する目的で判定基準(interpretive criteria)が設定されている.現在,臨床細菌検査室で用いられている抗菌力試験の方法には,①ディスク拡散(disk diffusion)法と,②希釈(dilution)法の2つがあるが,前者の試験では菌発育阻止円直径(inhibitory zone diameter)が,後者の試験では菌発育阻止終末点(growth inhibition endpoint),最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration;MIC)が判定に用いられる.阻止円直径,MICのいずれも基本的には連続した数値データ(定量的)であり,これをあえて2〜4段階のグループ,カテゴリー(category)の定性判定に区分するのが判定基準ともいえる.
わが国で用いられているディスク拡散法には2種類あり,わが国で独自に開発されてきた昭和ディスク法1)と米国National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)勧告M2-A42)に基づく方法がある.
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