増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅳ.検体の採取・保存・搬送
1.検体採取 2)泌尿・生殖器系材料,消化器系材料の検体採取
島川 宏一
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.50-54
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902738
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はじめに
微生物検査を進めるうえで,これから検査しようとする材料が,患者の病巣から正しく採られているか?ということは,最も優先して考えるべき問題である.いかに高度な検査法を駆使し,正確にまた迅速に検査成績が得られたとしても,その検査材料が適正に採取されていなければ,その検査はまったく無意味なものとなってしまうのである.また,臨床に誤った情報を与え,逆に患者に不必要な処置を行ってしまうことにもなりかねないのである.感染症の起因菌を的確にとらえ,その診断率を高めるためには,検体採取方法において注意すべき点を遵守し,目的に応じた採取法を実施する必要がある.
本稿では,まず検体採取時において一般的に注意すべき点について述べ,次に泌尿・生殖器系材料および消化器系材料における実際の検体採取法と採取時における注意点について述べる.
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