明日の検査技師に望む
21世紀の臨床検査と臨床検査技師
丸山 征郎
1
1鹿児島大学医学部臨床検査医学
pp.756
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902486
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■臨床検査は要るが臨床検査技師は要らぬ
もう数年も前,私がまだまだ内科学教室にいる頃,地元の検査技師会の講演会に招かれて,講演する機会があった.私は凝固線溶系の学問の近年の進展について述べ,最後に「臨床検査は要るが臨床検査技師は要らぬ」という時代が訪れる可能性がある,というような意味の言葉で締めくくった.私の言いたかったことは,医学サイエンスの進歩と周辺テクノロジーの進展で,ますます臨床検査は進むが,測定機器はそれだけ自動化され,かつ精密度を増してきているので,漫然と既存のことばかりやっていると職場を機械に奪われてしまう危険があるということであったのである.
それから数年して私は思いもかけず臨床検査医学講座を担当し,技師の諸氏に身近に接するようになった.
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