今月の主題 在宅医療
巻頭言
医療と介護―21世紀の医療のあり方と検査
菅野 剛史
1
Takashi KANNO
1
1浜松医科大学
pp.463-464
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904754
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21世紀は,これまでにない高齢化社会を迎えることになる.そして,20世紀後半から医療の在り方が,問い直され,厚生省でも「健康日本21」の政策を提唱することになった.基本は二次予防から,一次予防への転換であり,国民それぞれが,現在置かれている健康状態を質的に,数値的に把握し,目標値を定めて健康を管理する立場にある.
一方,高齢化社会を迎え介護という医療と密接な関係にありながら,医療行為とは異なる切り口を要求される現実が新たに現れてきた.これには,社会構造の変化も関係がないわけではない.介護という古くから家族という共同体の中で実施されてきたものが,核家族化という時代を迎え,組織的に体系的に地域共同体の中で実施する必要が生じたのである.そして在宅(居宅)療養という中で,医療と,介護が共存する形でサービスを受けることが余儀なくされることになった.
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