生体のメカニズム 体液調節機構・3
水代謝調節異常—高Na血症,低Na血症
西森 茂樹
1
,
内田 俊也
2
1公立昭和病院救急医学科
2公立昭和病院腎臓内科
pp.221-224
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902271
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はじめに
まず本稿のタイトルを注意深く見てみよう.なぜ“Na代謝調節の異常=高Na血症,低Na血症”ではないのであろうか? 一般に血液生化学検査の多くで,血清濃度の異常は体内総量の異常を反映する.例えば,血清K濃度の上昇は体内K総量の増加を意味し,この場合“K代謝調節の異常=高K血症,低K血症”となる.しかし,生体は細胞内外での水の移動を通じて血清Na濃度を調節するため,Naの場合は体内Na総量の高低がそのまま血清Na濃度の高低とはならず,やややっかいである.例えば,浮腫の場合は低Na血症を示しながら,しかも体内のNa総量は過剰ということが多い.
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