今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
水電解質異常の病態生理
低Na血症
石川 三衛
1
1自治医科大学医学部・内分泌代謝科
pp.768-769
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220335
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臨床的にしばしば遭遇する低ナトリウム(Na)血症(血清Naが135mEq/l以下)の診断は,本病態を引き起こす基礎疾患の検索から始まる.健常人では,水を多飲しても低Na血症を起こすことなく一日10〜15lの尿排泄が可能である.これは,血漿浸透圧が1〜2%低下すると,抗利尿ホルモンADHの分泌が抑制されて腎集合尿細管における水の再吸収を抑える体液維持機構が作動するためである.しかし,心因性多飲症のように水道の蛇口やホースから多飲する場合には低Na血症がみられるが,これはむしろ例外といえる.
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