明日の検査技師に望む
転換期の臨床検査を考える
大島 一洋
1
1徳島大学医学部臨床検査医学
pp.182
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902260
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臨床検査は,30有余年を経ていま開花期から爛熟期を迎えようとしている.また,臨床検査医学も医学体系の1つとして教育の場に根付いてきている.しかし,その周辺あるいは将来をみつめたとき,決して明るい材料ばかりでなく,私自身最近,臨床検査の教育や実践の場で違和感を感じることがしばしばである.
検査技師という身分が認知され,地方大学などに教育の場が造られて久しい.私は,臨床検査技師学校,医療技術短期大学部を通じて臨床病理学総論の教育を担当し,内分泌代謝疾患に関連する分野を講義してきた.スライドを多用した講義は,これら疾患の臨床症状は百聞することより一見することが有用なこと,他大学よりも情報が遅れないように広く浅く講義すること,を心がけたためである.しかし,学生に対する教育の実は私の考えるほど上がっていないのが現状である.
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