検査ファイル
ケント束
増渕 雄
1
,
長沢 正樹
1
,
星野 和男
1
,
甘利 俊哉
1
1JA長野厚生連篠ノ井総合病院内科
pp.228
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902275
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心臓の刺激伝導系には現在までに正常房室伝導路の全部または一部をバイパスする種々の副伝導路が報告されている.副伝導路としてはケント束(bundle of Kent),Mahaim線維,James束,心房-His束路などがあり,早期興奮症候群,心室変行伝導,dual AV conductionなどの成因に関与すると考えられている.解剖学的に副伝導路が証明されても,必ずしもそれが刺激伝導機能を有するとは限らないことに留意すべきである.
ケント束は,1893年にKentが初めて記載した副伝導路で右心側面で右房と右室とを連絡する長さ0.9mm,幅0.25mmの筋束で,外見上作業心筋によく似ている.現在では心房と心室とを直接連絡する副伝導路は左心側または中隔にあっても通常,ケント束と呼ばれている.ケント束が機能すればWPW型QRS波がみられる.
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