オピニオン
大転換期にある院内検査室
青木 哲雄
1
1常滑市民病院臨床検査センター
pp.524
発行日 2000年6月1日
Published Date 2000/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905384
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病院には臨床検査室があって,臨床検査を行うことは当然の姿であった.それが,この頃様子が変わってきている.ブランチ・ラボ,FMS,協同事業運営方式,試薬リース,全面外注検査等々,アウトソーシングの波が姿を変えつつ迫っている.アウトソーシングは避けて通れるものでなく既成の事実となり,検体検査はこれをうまく活用すべきとの考えかたが強い.最近では,外部委託ができる業務については法律での規制でなく,省令での規制に緩和しようとのことで,病院における臨床検査室の必置義務を格下げしようとした動き,また改正労働者派遣法の施行により,検体検査の実施に向けての臨床検査技師の派遣は可能との動きがある.これらは関係団体が反対をしており,アウトソーシングが経済効果をねらっての導入に走り過ぎていることと合わせると,誰もが行く先を懸念しているところである.本来,アウトソーシングは自施設で持ち合わせない専門性を契約のもとで効果的に活用するものであると考える.
さて,これらの波にどのように乗って,院内検査室をどのように変えていくか,これは言われて行うものてなく,自分たちが先行して取り組んでいくべきものと考える.
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