検査ファイル
プロテアーゼによるASTmの測定法
白波瀬 泰史
1
1国際試薬(株)研究開発部
pp.1103
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902201
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
ASTアイソザイムには,細胞質(supernatant)由来のASTsとミトコンドリア(mitochondria)に局在するASTmの2種のアイソザイムが存在する.ASTmは細胞壊死などの重篤な傷害によって血中に逸脱するため,肝障害,心筋梗塞などの臨床診断上重要なマーカーであるが,参考基準範囲は5U/l以下であるため活性測定には注意を要する.
ASTsおよびASTmの分子量はそれぞれ9.3万,8.8万であり,互いに2つのサブユニットからなるが,アミノ酸一次構造は非常に異なっている.したがって蛋白表面のアミノ酸組成が異なるため等電点も大きく異なる(ASTsが6,ASTmが9).電気泳動法,カラムクロマトグラフィー法,免疫法などによるASTアイソザイムの分画はいずれもこの性質を利用しており,プロテアーゼによる分画も例外ではない.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.