明日の検査技師に望む
高度化する医療の実践を担う臨床検査技師
大西 俊造
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.392
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902010
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高度化・専門化する今日の医療の場にあって,その一環の重要な位置を占める臨床検査技師に望むことは各人各様であろうが,技師を養成する立場にあり,また平成5年10月,四半世紀の歴史を持つ3年制の大阪大学医療技術短期大学部が廃止され,21世紀を展望した4年制の新たな大阪大学医学部保健学科設置に参画した教員の1人として,その作業を背景に考えていることの一端を述べてみたい.
わが国では,昨今の保健・医療制度の整備と生活・環境条件の改善によって,これまで不幸な結末をもたらしてきた急性伝染病,結核などは著しく減少した一方で,癌,高血圧症,心不全などの慢性疾患が増加するとともに,肝炎,AIDSなどウイルス感染症が新たに出現するなど疾病構造が大きく変化しつつある.これらに対応する先端医療技術も著しく進歩発展し,検査,診断,治療など医療も今後さらに高度化,多様化,専門化することが確実であることは周知の事実であろう.これらの諸現象を踏まえて,“何を明日の検査技師に望むか”について順次取り上げてみたい.
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