連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・52
医療を学び,担う学生よ,育て!!
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.660-661
発行日 2008年7月25日
Published Date 2008/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101260
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看護学生への支援を続ける
クリニックは支援者の寄付で運営されている。そのため,いつも数か月更新の運営が続いていて,寄付が集まらなければいつでも撤退の可能性がある。そして,私が撤退した時点でクリニックは存続できる見込みがない。その1つの理由は,フィリピンでの医療免許所持者がスタッフのなかにいないことにある。
撤退を考慮し,数年前から少ない予算のなかで数人の看護学生に奨学金を捻出してきた。しかし卒後の彼女たちに十分な給料が支払えないクリニックの現状では,奨学生らも生きていけず,結果マニラの病院で働いている。つまり,クリニックの奨学金でありながら,クリニックにはまだ直接還元されていないのだ。実に歯がゆい状況ではあるが,貧困層から看護者が出るべきと信じるから,現在も1人の看護学生を支援している。弱者の患者を助けられる看護という仕事に憧れる,頭のいいドナという貧困家庭の女の子だ。
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