病気のはなし
パーキンソン病
神宝 知行
1
1国立国際医療センター神経内科
pp.6-10
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901770
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サマリー
パーキンソン病は生として50から60歳代に発病する変性疾患で,中脳黒質の変性とそれに基づく線条体のドーパミン濃度の低下を示す.原因は不明だがMPTP投与により同様の症状と病理変化が作られることから,なんらかの中毒である可能性が示唆されている.主な症状は振戦,筋固縮,無動,姿勢反射障害である.症状は一側から始まることが多く,病状の進行に伴って両側性となり,無動,姿勢反射障害による起立歩行障害が顕著になる.治療薬には,L-dopa,ドーパミン受容体賦活薬,塩酸アマンタジン,抗コリン薬,L-dopsがある.L-dopaが最も強力であるが,長期使用によりさまざまな問題が生ずる恐れがあるので初期から大量投与することは避ける.パーキンソン病と類似の病像を呈する他の疾患との鑑別に留意することが必要である.
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