増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
2.蛋白質成分
(3)FDP
鈴木 節子
1
,
風間 睦美
2
1横須賀共済病院中央検査科
2帝京大学医学部第一内科
pp.64-66
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901489
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はじめに
FDP(fibrinogen/fibrin degradation products)はフィブリノゲン(fibrinogen;Fbg)またはフィブリン(fibrin;Fb)が蛋白分解酵素(主としてプラスミン)により分解されて生ずる分解初期から分解終末に至るさまざまな大きさの分解産物すべての総称である.FDP測定は,用手法,自動測定機械法ともに簡便迅速に対応できるラテックス凝集法が開発されてから凝固線溶亢進状態の指標として広く普及し,播種性血管内(血液)凝固(症候群)(disseminated intravascular coagulation;DIC)の診断基準の重要な指標の1つにもなっている.近年ではFDPの中のDダイマー,FDP-D,FDP-Eをそれぞれ測定する方法が開発された.FDP全体とその分画の1つであり,フィブリンから生ずるDダイマーの測定を組み合わせて行うことにより,一次線溶,二次線溶の鑑別あるいは凝固線溶亢進状態をよりいっそう詳細に把握することが可能となった.
本稿ではラテックス凝集法によるFDP測定および,Dダイマー測定における検体採取,検体測定の留意点を表1〜4に示した.
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