技術講座 血液
FDP測定法4—FDP組成と試薬の反応性
田原 千枝子
1
,
島津 千里
2
,
鈴木 節子
3
1帝京大学第一内科
2帝京大学病院中央検査部
3横須賀共済病院中央検査部
pp.811-816
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204177
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わが国で線溶亢進やDICの診断にFDP測定が行われるようになってから10年余りになり,現在は日常的な凝血学的検査項目として普及するに至った.その臨床的有用性の高いことから,当初の赤血球凝集阻止反応をはじめとして,LPIA法,酵素抗体法など現在では多くの測定法が開発され,また抗体としてはポリクローナル抗体のみならずモノクローナル抗体も使用されている.
一方,しばしば経験することであるが,同一臨床検体を種々のFDP試薬で測定してみると成績が一致しない場合が少なくない.元来FDPは各種分解産物の混合物であり,試薬抗体の反応性を考えれば測定値が異なるのは当然であるが,FDPの成績が診断の決め手になる症例についてはこの相違が大きな問題となる.
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