マスターしよう検査技術
FDPの検査
秋山 淑子
1
1東京大学病院中央検査部
pp.39-43
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205463
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FDP(fibrinogen/fibrin degradation products)とは,生体内でフィブリノゲンおよびフィブリンがプラスミンによって分解されて生じた産物の総称である.血中FDP測定の臨床的意義のもっとも高いのはDICにおいてであり,尿中FDPでは腎における炎症性の病変の有無の検索に診断的意義がある.
今日,日常検査に用いられる測定法の多くが抗原抗体反応を測定原理とし,中でもラテックス粒子にFDPと反応する抗体を感作し,ラテックス粒子と検体を混和して生じる凝集を肉眼的に観察するラテックス凝集法が迅速性,簡便性のうえから広く行われている.抗体として抗フィブリノゲン,抗D分画,抗E分画,抗D分画+抗E分画,抗Dダイマー分画などがあり,検体中のFDPの分画に対する反応性が異なるため同一検体でも用いるラテックス試薬によって測定値に差がみられる1).このことからフィブリノゲンの分解による一次線溶の最終産物のうちのDモノマーと,フィブリンの分解による二次線溶の最終産物の一つであるDダイマーを測定することによって,一次線溶と二次線溶とを鑑別する試みもなされている2).↓
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