検査データを考える
FDP
遠藤 武
1
,
久米 章司
2
1山梨医科大学附属病院検査部
2同大学臨床検査医学
pp.457-462
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901582
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はじめに
血管内における血液の流動性に関する最近の知見は,血管壁・血小板・凝固線溶系の相互作用により巧みにコントロールされていることを示しており,これらの機能の破綻は出血傾向や血栓傾向を生ずることになる.
血管内では血液は固まることなく流れているが,血管壁の損傷などで凝固系が活性化されると止血血栓が形成される.血液凝固過程はフィブリノゲンのフィブリン転化で終わるが,血栓のできた状態が長期間続くことは生体にとって必ずしも都合のよいことではなく,血栓溶解機構が同時に働き,合目的的に血栓の溶解(線溶現象)が起こる.
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