増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
2.蛋白質成分
(4)急性相反応蛋白—CRP
山岸 安子
1
1自治医科大学附属病院臨床病理部
pp.67-75
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901490
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体内の炎症反応の有無を推定したり,経過を観察したりするのに役立つ臨床検査が炎症マーカーである.一般に日常よく行われているこれらのマーカーの変動としては,赤沈値の亢進,白血球数の増加と質的変化,血漿蛋白の急性期蛋白の増加,血清鉄の減少,血清銅の増加などがあるといわれている.
このうち,急性期蛋白の変動を総合的にスクリーニングできるのは血清蛋白分画で,アルブミン分画の減少,α1-グロブリン分画の増加とα2-グロブリン分画の増加が認められており,その特徴ある分画像は図1のごとくであり,日常検査でこのような分画像を観察することは重要である.
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