検査ファイル
マイクロインジェクション法によるトランスジェニックマウスの作製
寺内 久美子
1
,
宮崎 徹
2
1東京医科歯科大学難治疾患研究所
2東京大学医学部第三内科
pp.75
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901383
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1980年,Gordonら1)によって,初めて外来遺伝子を染色体内に組み込んだマウス(トランスジェニックマウス)が作製されてから現在に至るまで,生体内における遺伝子発現の機構や,遺伝子産物の機能を解明するための有効な手段として,受精卵への遺伝子導入が盛んに行われてきた.特に,従来の培養細胞での形質転換との大きな違いは,あらゆる細胞に分化しうる受精卵に遺伝子導入することで,マウスの発生・分化の過程で導入遺伝子の発現と,その機能の解析が可能であり,さらにすべての体細胞,生殖細胞に導入遺伝子を持つマウスを系統的に維持できることである.本稿では,最も広く用いられているマイクロインジェクション法によるトランスジェニックマウスの作製について簡単に述べる.詳しい作製法に関しては他書を参照されたい2,3).
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