明日の検査技師に望む
technologyの研究開発に努力すべし
橋本 琢磨
1
1金沢大学医学部臨床検査医学教室
pp.876
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901288
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■理想と現実
今年の国家試験も終わり,新たに大勢の検査技師が誕生した.例年のことだが,彼らのほとんどは病院の検査室に就職を希望する.民間検査センターへ希望していく人は少ない.その理由を尋ねるといわゆる「測り屋」にはなりたくない,「もっと勉強がしたい」というのである.しかし病院に就職した人たちが「測り屋」ではないか,というと現実はそうではない.生理機能検査室は別として,検体検査室の仕事の内容は民間検査センターとほぼ同じである.ただ民間検査センターのように役割分担がきちんとしていないで,あいまいになっているにすぎない.そのぶん「勉強ができる」はずであり,役割分担以外の多くのものを学べるはずである.しかし現実は理想どおりにいってはいない.私はこの新入部員の希望,つまり向学心をできるだけかなえてあげたいと思っている.が,現実問題として難しい.それは検査部内ローテーションを忌避したいと考える人たちがいるからである.特に中年以上の技師は自らがローテーションをするのを好まない.この年になって新しい仕事を学ぶのはいやであるという顔をしている.入部時の希望や理想はどこへいってしまったのだろう.
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