検査データを考える
エリスロポエチン値
平嶋 邦猛
1
,
別所 正美
1
1埼玉医科大学第一内科
pp.597-602
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901216
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
エリスロポエチンとは
赤血球産生が血中の酸素濃度による骨髄の直接反応でなく,体液性物質により支配されているとの考えが,CarnotとDeflandreにより1906年,貧血家兎の血清を正常家兎に注射したとき,赤血球数が増加する実験成績から導き出された.彼らは,この未知の物質をhemopoietineと名づけている.しかし,この実験には再現性がないため研究に進歩が見られなかった.
1950年代になると,1950年,Reissmannのラットのparabiosisの実験,1953年,Erslevの貧血家兎血漿大量連続注射による網赤血球数の著増実験,1954年,Stohlmanの動脈管開存症での骨髄観察成績の3大実験報告があり,赤血球産生調節物質の存在は疑いを入れない事実となった.しかし,純化したエリスロポエチンを得るには多年の研究が必要であった.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.