技術講座 免疫
妊娠反応とhCGβ-サブユニット測定法
近藤 泰正
1
,
佐藤 和雄
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.433-439
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900598
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サマリー
近年の免疫学の進歩に伴い,これらを応用した臨床検査も著しい進歩を遂げつつある.婦人科領域においても例外ではなく,ホルモン測定をはじめとする諸検査にこれらの免疫学的検査が応用され,臨床医の現場では大きな恩恵を受けている.
妊娠反応検査は,hCGのアミノ酸構造の解明と,これに対するモノクローナル抗体の作製がその特異性,鋭敏性,簡易性などを飛躍的に向上させた.現在では,妊娠反応検査はhCGβ-サブユニットを標的にしたそれが主流となり,妊娠反応検査そのものがhCGβ-サブユニット同定として理解される現状である.さらに,技術の改良により,低単位のそれが短時間で測定が可能となり,hCGをマーカーとした腫瘍の検査に大きく貢献することとなった.そこで,本稿においては妊娠反応をhCGβ-サブユニット測定との観点よりとらえ,解説を加えた.
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