マスターしよう検査技術
免疫電気泳動法
橋本 寿美子
1
1日本大学板橋病院臨床検査部
pp.587-592
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901214
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免疫電気泳動法は,電気泳動法と二次元免疫拡散法を組み合わせた分析法である.すなわち,電気泳動の荷電の違いにより分画される蛋白・抗原物質が同一移動位置に数種あっても,二次元免疫拡散法による抗原抗体反応を組み合わせることにより容易に数種を分離することが可能となる.特に寒天ゲルやアガロースゲルは透明な固形物であることから,直接,肉眼的に観察することができるため,1953年にGrabarらにより報告されたGrabar-Williams免疫電気泳動法は現在でも広く用いられる定性的分析法である.広義の免疫電気泳動法は,このほかに,電気泳動現象を利用して抗原抗体反応を起こさせる電気免疫沈降法(electro-immunoprecipitation)が種々工夫され,ロケット免疫電気泳動法(Laurell)など定量的免疫電気泳動法がいろいろと開発されている.しかしながら,狭義には免疫電気泳動というとGrabar-Williams免疫電気泳動を指すので,今回はその方法について述べることにする.
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