グラフ
免疫電気泳動法
高月 清
1
1京大・内科
pp.1612-1617
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201045
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免疫電気泳動法は電気泳動とゲル内沈降反応との組合せで原理的には単純な方法であるが,この方法の導入により血清蛋白質に関する研究は急速に進歩した。従来のチセリウスまたは濾紙電気泳動法ではアルブミン,α1,α2,β,γ各グロブリンの5種の成分しか区別できなかつた血清蛋白にも本法では最高30種あまりの成分を証明し得る。
しかし,定量的方法ではないから臨床診断上の直接的価値は限られている。とくに重要視されるのは多発性骨髄腫,原発性マクログロプリン血症およびこれらの類縁疾患における異常Immunoglobulinの検索とその分類である。現在の段階では,慢性炎症,肝硬変,膠原病などの高γグロプリン血症には本法を用いても診断的価値はない。
一方,研究分野では目的とする蛋白質の同定,鈍度の吟味などによく用いられる。ここではImmuneglobulin系における検索を中心として免疫電気泳動法の有用性を紹介してみたい。
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