増刊号 尿検査法
II.各論
4.非蛋白性窒素化合物
(6)グアニジノ化合物
石崎 允
1
1永野病院腎センター
pp.102-103
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901084
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グアニジノ化合物に関しては,その測定機器のみならず測定法,特に酵素法的測定がわが国で世界に先駆けて開発され,非常に注目を浴びている.中でもメチルグアニジン(MG)とグアニジノ酢酸(GAA)が酵素法で測定できるようになり,大量の検体処理が可能となった.これらの腎疾患に対する臨床応用が大変期待されつつある.
MGはuremic toxinsのひとつであるが,その産生機構が青柳らにより解明され,クレアチニン(Cr)を前駆体としてフェントン(Fenton)反応によるヒドロキシルラジカルや炎症細胞からの活性酸素により産生されることが判明した.したがって,MGの産生能を測定することにより,尿毒症の種々の病態が活性酸素によってもたらされていることが証明されつつある.今後慢性腎不全の治療において,尿中および血中のMG/Cr値は保存的治療や的確な透析導入の指標として,また長期透析患者の適切な維持管理の指標として応用可能であり,ルーチン検査としての導入が期待されている.
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