増刊号 尿検査法
II.各論
5.ケトン体
ケトン体
原田 祐治
1
,
遠藤 治郎
2
1島根医科大学生化学教室
2島根医科大学臨床検査医学教室
pp.104-105
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901085
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はじめに
ケトン体はアセトン体と一般に同義語として用いられており,アセト酢酸,アセトン,β-ヒドロキシ酪酸(β-オキシ酪酸)の総称である.尿ケトン体はアセト酢酸,β-ヒドロキシ酪酸が大部分を占める.
これらはいずれも肝における脂肪酸分解の中間代謝産物であるが,糖質の摂取不足や組織におけるブドウ糖の利用障害により脂肪酸分解が亢進し,組織の処理能力を越えたケトン体が産生されると,これらは血中に増加して尿中に排出されるようになる(図1).
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