増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
窒素化合物
窒素化合物の代謝総論
吉村 学
1
,
藤田 直久
1
,
稲葉 亨
1
1京都府立医科大学臨床検査医学
pp.245-247
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906330
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窒素化合物の内訳1)
血中の窒素化合物は,蛋白質と非蛋白窒素(non-protein nitrogen:NPN)よりなる.NPNは血清の除蛋白窒素成分という意味で,残余窒素(restnitrogen:rest N)とも呼ばれる.NPNは尿素,尿酸,クレアチニン,クレアチン,アミノ酸,アンモニア,インジカン,その他の微量成分よりなる.尿素窒素(blood urea nitrogen:BUN)は健常者NPNの45〜50%を占めるが,腎不全NPNの80〜90%を占める.血中NPNの増加を窒素血症(azotemia)と呼ぶ.
尿中NPNの85%は尿素窒素であり,次いでクレアチニン,アンモニア,尿酸,アミノ酸,クレアチン,その他よりなる.尿素窒素とアンモニアは蛋白代謝,クレアチニンとクレアチンは筋肉のクレアチン代謝,尿酸はプリン核酸代謝のそれぞれ終末代謝産物であり,いずれも腎を介して尿中に排泄される.これらの物質の血中濃度や尿中排泄量は,食事蛋白量,体内での同化と異化,腎からの排泄などにより影響される.
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