増刊号 尿検査法
I.総論
4.腎機能検査の意義
(4)遠位尿細管
鈴木 誠
1
,
百瀬 光生
1
,
川口 良人
1
1東京慈恵会医科大学第2内科
pp.47-49
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901064
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遠位尿細管は,近位尿細管で再吸収された残りの尿の組成を修飾する.近位尿細管より負荷される溶質はCNa+K+CH2Oで与えられる.CNa+Kはヘンレ上行脚で(Na/K/2Cl輸送により)再吸収される溶質が主であることを考慮すると,CClとも書ける(図1).CH2Oは,水利尿時でNa排泄がないときには,遠位尿細管で再吸収されるNaの総量に一致すると考えられている.
また,遠位尿細管では抗利尿ホルモン(ADH)に反応して水チャンネルが活性化する.そのため対向流(counter current)系で高浸透圧となった間質にH2Oが移動し尿は濃縮される.飲水制限をし内因性のADHを活性化させた結果がフィッシュバーグ(Fishberg)試験である.外因性にADH(ピトレッシン)を注射して,反応を調べることもできる.
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