検査法の基礎
補体の活性と制御
藤田 禎三
1
1福島県立医科大学生化学第二講座
pp.115-120
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900946
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サマリー
補体系は,抗原抗体反応に引き続き,あるいは,単独で,生体防御に働く約30種類の血清蛋白と膜蛋白からなる反応系であり,感染防御において抗体とともに主要な役割を果たしている.その生物活性は,①生体に侵入した細菌・ウイルスなどに結合した補体成分C4b,C3bは,補体レセプターを介した食細胞の貪食作用を増強すること(オプソニン効果),②補体活性化で生じた補体フラグメントC3a,C5aは,炎症のメディエーターの働きをすること,③補体後半成分のC5b-C9は膜障害複合体として,細胞障害活性を表すことなどを挙げることができる.補体系には,種々の制御因子が存在し,液相での無制限な活性化や消費を防ぎ,反応を異物表面に集約させるだけでなく,自己補体による自己細胞の障害を防御している.
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